ターコイズ
君の晴れ着を見た時に僕は驚いてしまった。
こんな僕だからいつも君に馬鹿にされて
そんな君が凛と咲く、桜みたいに
自分の白い息が跳ねた
平然を装うのは辞めた
もう希望の光、だった。こんな田舎のヤンキーしかいない、くだらない、そんなつまらない式典の希望。
友達が来て君を見失った。
街の人間の言葉より、君のここでの過去を振り返っていたと思う。
実家は医者だったような、小さい教室で喧嘩したなあとか、あ、でもそれ君だったっけとか
それでも君の甲高い声は変わってなかったなあとか。
気付いたら式典は終わっていて、写真を撮って、町舎の外で皆と写真を撮る。
あーあいつもとか、前日に髪切りに行ったら思いっきり失敗してパッツンになってしまった。
本当に仲のいい今でもの友達は僕を笑わない。
笑ったとしてもフォローしてくれる。
申し訳ない。自分でも気付かないくらい余りにも繊細すぎる所をフォローしてくれる。
ありがとう。
そして君は言う。
「めっちゃウケる、ハリーポッターみたい。」
予測はしてた。そう言うヤツだ。
「なんでそんなんになったの?まあいいや、写真撮ろう」
パシリ。
「ライン交換しよ。」
「じゃあね。」
終わりだ。もう僕のペースではない。
そのあと画像は送られて来て、何にもなかった。
何も言えないし、好きでもないけど、なんで言えばいいか、可愛いとは感じていた。
ただ友達としてやってはいけない、いつか想像していた未来の君とは違くて、桜で言うきっと薄いピンクを失ったただの白の様な、
ただあけらかんとした、何者なんだ、何者になってしまったんだ、君は。
貰った写真は、止まっている君は、多分その時の君で、動いたり話したりしだすと、あの時の君ではなくて。
写真を撮ってよかった。でももっとあの時の君と写真を撮りたかった。
もう会えないから、合わないから、会えるけど
会わない。
そんな事を平塚のカフェで友達と考えて書いたんだっけ。